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自強養生法の名の由来

養生という言葉は、元々、仙道の言葉です。
武術をやっているうち、本当に強い人と対すると、
技は何ひとつ通用せず、体作りが大事なことに
気づきます。

名人達人は、体の密度が、濃い感じです。
養生法がベースで、その上、強いのです。
それもそのはずで、中国武術は、少林寺、武当山と
いった、仏教、道教の聖地で、研究された精華が、
民間に流れたものだからです。

武術の世界は、強い人がさらに、強さを求めるケースが多いです。
お年寄りや、弱い人は、なかなか寄りつけません。
しかし、武術の中の養生法、基本功は、実に、
多くの人を益するものであると、思うのです。

自強という言葉には、思い入れがあります。
鍼灸学校時代に通っていた中国武術の先生に、
台湾に連れて行ってもらった時、
早朝、まだ暗いうち、タクシーと徒歩で駐車場のような所に着くと、
暗闇の中から、「遅かったな。」と声をかけられました。

私たちより早くに、そこで待っていた老師は80代で、
連れて行ってくれた先生は、
「遅かったかー」と悔しそうでした。
老師より早く着いて、待っていたかったのに、
逆に待ってていただいて、恐縮でした。
それから、ほどなくして生徒さんが集まり、あちこちで、
各自の練習をはじめました。

槍、刀、剣、扇子、拳術など、
老師は、それぞれの方々に指導していました。
合同で、型練習をする時の老師の掛け声が、高く大きく、すさまじく、
元気だな~っと、つくづく感じました。
生徒さんの平均年齢も50代、皆、生き生きしていました。
明るくなってくると、そこは河川敷で、
コンクリートの土手の壁に、
「自強国術館」と、大きく白いペンキで書かれていました。

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