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水と生命

生命とは何か? 38 地球の水(海)の発生

第二節 『地球の水(海)の発生』
45億年前、太陽系に惑星の素材となった宇宙塵や微惑星などには、すでに水分を含んでいた。微惑星が衝突し合体して大きな球体と成長していくとき、その衝突熱のため地球表面は、1700℃くらいの高温に達し、ドロドロを融けた状態であった。この光熱や太陽の風のため地球大気はすべて吹き飛ばされ、現在の大気は、火山によって噴出されたといわれ、二次的なガスによって主に構成されている。地球科学者ルビーによると、噴出すガスは、93%はが水蒸気で、塩化水素(1.9%)、二酸化炭素、窒素、硫化水素などで構成されていた。水蒸気と塩化水素はよく溶け合い、大気の冷却とともに塩酸の雨となって、地球の凹地にたまった。当時の海水のphは、0.3という酸性であり、地殻をつくる玄武岩(火山が噴出してできた溶岩の一種)と接して、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、アルミニウムなどの金属成分を溶かしだした。大規模な中和反応が起こり、金属の塩化物ができあがった。これが、塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、塩化マグネシウムなどの現在の海水の由来である。この中和によって中性(現在の海水phは8.1)の温和な海洋がつくられ、生命誕生の素地ができあがった。この海洋は、太陽のエネルギーを吸収し貯蔵して、地球の温度変化を和らげる巨大な湯たんぽの役目をするようになった。実際、実験で玄武岩を薄い塩酸溶液に浸しておくと、海水と同じような金属イオンが溶け出してくる。ナトリウムがもっともよく溶け出してくる。

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