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水と生命

生命とは何か? 20 他界観

他界観
日本人は、古来から人が死ぬと肉体と霊魂が分離し、肉体朽ち果てても霊魂だけは生存し続けるものとして考えてきた。これは、この考えは日本人だけではないが、日本人や中国には、しっかり根付いている考えではないだろうか。霊肉分離あるいは霊肉別留といい私たちの日本人の生命観に影響し、日常生活の中に普通ある感覚ではないかと考える。その他界観を民俗学的に以下のように分類している。

・山中他界:死者の霊が近くの山に留まって子孫たちを守り、

盆や正月などの決まった時期に家に戻ってくる。

死者の霊が宿る→恐山・三重の朝熊山・高野山・香川の弥谷山など

・海上他界:死者の霊が海の彼方にある死者の国へいく。

熊野の補陀落ほだらく渡海とかいや沖縄のニライカナイなど

・その他 :天に登る天上他界観や地中に宿る地下他界観がある

死者の霊は、この世から遠く離れた所へ行ってしまうのではなく、比較的近い場所にいて、ことあるたびにこの世を訪問し子孫と交流する。他界は、必ず死者のものだけの国ではなく、さまざまな神や妖怪が住む世界であると考えられていた。

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