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水と生命

生命とは何か? 19 イキとイノチ

イキとイノチ
中村禎里氏は述べている。
イノチの語源として諸見解があり、息の勢力・息の霊とする説があるが、いずれもイノチは、イキの力能を指す。勢力・霊と訳されるチは、イカヅチ(厳つ霊・雷)・オロチ(山ろ霊・大蛇)のチと同義である。『万葉集』に頻出する「いきの緒」(巻四-六四四、巻七-一三六〇他多数)という語は、息の持続をあらわし、イノチを指す。『古事記』アマテラスがスサノオ所持の剣を噛んでこれにイキを吹きつけ、スサノオがアマテラスの髪飾りの玉を噛んでこれにイキを吹きつけると、神が生まれた。これは、イキの力(イノチ)が作用することによって生まれたのである。「息絶える」という言葉を「死」と捉える日本人の感覚から、イキとイノチの関係がはっきりとわかる。(35)
イノチとは、イキを語源としており、息が大切なものだという認識が、日本人にはあることを考えさせられる。

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