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水と生命

生命とは何か? 16 日本での生命観

第四節 『日本での生命観』

日本には、「八百万の神」という言葉があるように、森羅万象に生命が宿ると考えがある。しかし、この考えは日本人独特のものではない。霊的存在が肉体や物体を支配するという精神観、霊魂観は、古くから西洋東洋を問わず世界的に広くある考え方である。イギリスの人類学者E・B・テイラーは、生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方をアニミズム(英語: animism)といい、著書『原始文化』(1871年)の中で使用し定着させている。アニミズムとは、ラテン語のアニマ(anima)に由来し、気息・霊魂・生命といった意味である。
日本は、あまり言挙げをしないと言われるとおり、実際に、中国のような代表的な古い文章が残っていない。島国で小さいコミュニティの中では、あまり必要性がなく、論争し何かを創りあげていくのではなく、伝え守っていくことを大切にしているように思う。伝承していくという職人気質的(感覚的)なものとがあると考える。
シルクロードで考えてみると、日本は端の東の国にあり、各国の文化を吸収しながら変化した文化が流れつく場所でもある。日本人は、様々なことを受け入れていく柔軟性とそれを取り入れて自分たちのものにしていく器用さがあると考える。民俗学に残る伝統的なこと、また歌や諺や国学者などが論じる日本の心を中心として、日本の特徴を捉えていきたい。

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